2014年3月21日金曜日

OSSシンポジウムで先進IT企業の取組みに学ぶ

3月21日、四国大学交流プラザにて、「地方のIT企業が生き残るためのシンポジウム 〜オープンソース×地方×ビジネスによる新たな価値の創造〜」と題したシンポジウムが開催されました。




 













http://www.tokushima-oss.org/docs/2014020700015/

 これは、イノベーションを起こしている企業に学び、地方のIT企業が生き残るために必要な取組みを考える機会として、とくしまOSS普及協議会による主催で、企業や学生を対象に実施されたものです。

 本学科の山本耕司教授(当協議会会長)による開会挨拶に続いて、1部ではまず島根大学Ruby-OSSプロジェクトセンター長の野田哲夫教授が、「オープンソースの活用と開発貢献が地域経済に与える効果に関する研究」と題し、OSSの開発力をつけることがOSSで成功する鍵という分析結果を示されました。
  

 
次いで株式会社オープンソース活用研究所の寺田雄一代表取締役所長が「IT業界の構造変化まであと3年、中小IT企業の選択肢は? 〜OSSで脱下請けのススメ〜」と題し、事業部門から直接受注できる実力をつけ、多能工エンジニアであることの重要性を説かれました。

そして、株式会社ソニックガーデンの倉貫義人代表取締役社長が、「納品のない受託開発で受託開発ビジネスにもイノベーションを!」と題し、アジャイル開発を行いながらバーチャルCTOをサービス提供することで、常にマーケットに即したアップデートを行うというビジネスモデルを示されました。これは、顧客、開発者、企業のそれぞれの利益を最大にする方式として画期的な成功例であり、参加者に大きいインパクトを与えました。

2部は、これら講演者に徳島県経営戦略部情報システム課の山住健治専門幹が加わり、パネルディスカッションが行われました。モデレータには、株式会社ウェブチップスの野原直一代表取締役社長が登壇予定でしたが、急遽体調不良で来られなくなり、山本耕司教授が代役を務めました。

都会と地方のIT格差や、OSSのメリット・デメリットと導入アプローチの仕方などについて意見が交わされました。

会場には、徳島県内のIT企業や大学に加え、大阪、島根、鳥取など県外からの参加者もあり、地方のIT企業の生き残りにおいて、OSSの活用が不可欠であるという認識が少しずつ生まれているようであり、私たち大学人としても今まで以上に人材発掘に務める必要性を感じたシンポジウムでした。